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石田陽子 Yoko Ishida

健康経営施策としての生産性向上・睡眠衛生増進プログラムの提案(第48回日本睡眠学会総会)

第48回睡眠学会総会(パシフィコ横浜ノース)で、「健康経営施策としての生産性向上・睡眠衛生増進プログラムの提案」をいたしました。


健康経営は本来、特殊な専門性を要します。

健康経営の生みの親であるボブ・ローゼン先生は、従業員の疾病レジリエンスを高めると同時に公衆衛生学や組織心理学の知見を元に「職場の環境」を作り上げる戦略を強調しています。

「健康経営」とは、企業が従業員の「人的資本」に投資する経営戦略です。投資するだけなら誰でもできますが、それが成功するかどうかは、いかに投資額を上回るリターンを獲得するかで決まります。

健康経営施策とは、健康経営度調査を埋めることでも、健康リスクの高い従業員を抽出し、そのリスクを低減することでもありません。

睡眠は、全従業員にとって本質的な生命活動であり、バイオ、サイコ、ソーシャルヘルスとの関係が科学的に明らかになっています。特に企業活動に直結する生産性や安全性との密接な関係は、他のどんな疾病リスクとも比較になりません。また睡眠衛生増進の介入は、安価でシンプルで、非医療者にも容易です。

睡眠衛生増進のような、NO ONE BEHINDであらゆる健康リスクを低減する、エビデンスと妥当性のあるサステナブルな因子に対して、ポピュレーションアプローチで介入する健康経営施策が、最も高いリターン額を見込めます。

ポピュレーションアプローチはいわば一次予防です。企業や自称コンサルは、健康リスクの高い従業員を抽出するタイプのヘルスプロモーションプログラムを好みますが、ハイリスク群、そのうちの要治療群を適切にトリアージするには専門的な知識が必要です。日本には国民皆保険という社会保障制度があります。企業の安全配慮義務としては、毎月の保険料負担に加えて、医療制度や具体的な受診作法についてのリテラシーをポピュレーションアプローチで高めれば完璧です。同時に、従業員が受診という行動変容を通して自己保健義務を履行し、自発的に各疾患の疾病レジリエンスを高めやすい職場環境を形成されます。

公衆衛生の専門家として、ポピュレーションアプローチ、ハイリスクストラテジー、そして医療の関係性をご説明しておりますので、ぜひ、ポスターをご覧ください。

もちろん、抄録に示しましたとおり、妥当な施策であれば、健康経営度調査は自動的に埋まりますので、ご安心ください。











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