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熟★睡セミナー on World Sleep Day 2025

2025年3月14日17時~熟★睡セミナー on world Sleep Day 開催


去る3月14日、『Dr. Yokoの睡眠マネジメント ~ 眠るほど、ぐんぐん仕事がうまくいく』の発売を記念して、【熟年】の【睡眠】、略して【熟・睡】にフォーカスしたオンラインセミナーを開催しました。


毎年、春分の日の手前で、春分の日に最も近い金曜日が、World Sleep Day(世界睡眠の日)です。

今年は3月14日のホワイトデーが、World Sleep Dayです。日本の睡眠の日は日付固定で、3月18日と9月3日の2回です。


熟年とは人生の中で、成熟した年代のことです。

実年齢とは関係なく、熟慮・熟考できる、フルーツフルな【大人】のことです。

若さや気合で物事を片付けず、知恵と経験で再現性の高い解決力を発揮する仕事人と言ってもいいでしょう。

熟年は、それぞれ、さまざまなスキルに熟練・熟達しています。

ウェルビーイングなライフを楽しむとき、若さより広く長く役に立つのは、スキルです。

睡眠は、原始的な生命活動ですが、スキルを活かしたマネジメントによって、その価値を高めることが可能です。

睡眠の価値を高めて、ますます人生を充実させるために、まず、あなたの時間を投資しましょう。


「選書が強みの小さな書店なので、読んでから考えます」とおっしゃっていたわおん書房店主の廣部貴子さんからは、以下のようなすばらしい感想をいただきました。


・・・・・

ご報告です。

8時間睡眠チャレンジ、無事達成しました~!


今年に入って睡眠のリズムが少しずつ改善しつつはあったのですが(遅い更年期がようやく終わりかけているのかも…)、中途覚醒は何度かありつつも、ほぼ8時間眠ることができました。


そこで、何が起こったかというと・・・めちゃくちゃパフォーマンスが向上しました!


まず①日中眠気を全く感じなくなりました。

次に②判断力がスピードアップし、次々と仕事をこなせるようになりました。

そして③やりたいと思いつつ手が付けられなかったことにチャレンジできました。

④仕事が終わって「疲れた~」と感じることがなくなりました。

⑤仕事にかけられる時間は短縮したはずなのに、やるべきことは全てやり終えることができました。

⑥夜、気持ちよくベッドにつくことができるようになりました。

⑦いろんなことに、やる気がムクムクと湧いてきました~

⑧気持ちに余裕ができました。


陽子先生の本に出合えて本当に私はラッキー!

今、睡眠本を最初からちゃんと読み直していることろです。

睡眠で悩んでいる友達にも教えてあげないと…。

陽子先生、ありがとうございました!

・・・・・


ここまでが告知の内容でした。


Dr.Yoko、独演会?!


ベストセラー作家でフリーランスの神でもある田中靖浩先生と、老若男女問わず、元気の種をまいて人をイキイキワクワクさせてしまう人材育成の板谷和代氏という、すごいプロ講師2名が、私の出版祝で友情出演してくださるという奇跡に恵まれたというのに、幕を開けば、Dr.Yokoの独演会で、あんなに無口な田中先生と和代さんを始めて見たとほうぼうで言われました(笑)

こちらが当日の写真です。とっても楽しそうです(笑)


そして、録音、録画、チャットの保存、すべての記録を失敗してしまったので、こちらで振り返りをします。



睡眠の回数と日中の眠気


まずは、皆さんに日中の眠気と睡眠の回数について尋ねました。

一般のアンケートでも眠いのが普通で、「仕事中、眠くなったことがほとんどない」って人は、4分の1未満でした。眠くなったことが全然ない方はいませんでした。

しかし実は、どんなに退屈で手持ち無沙汰でも、車両の座席が快適でも、夜の睡眠をしっかり取れている人は、起床から15時間程度は眠ってしまうはずはないんです。

起床後、15時間以内に、眠ってしまった経験があるということは、ほとんどの場合、睡眠不足です。

たとえば、毎日9時間規則的にベッドに横になっているのに、日中の眠気が強かったり、眠気とは関係なく眠ってしまうことがあったりする場合は、睡眠障害の可能性があります。


寝付きの時間とMSLT


MSLTについては、書籍の165ページで触れていますが、睡眠負債のない状態で、日中、2時間毎に横になって寝落ちするまでの時間を測る検査です。15分以内に眠ってしまった場合は、所見あり、ということになって、「特発性過眠症」などと診断される場合があります。

日本の働く人々にいきなりMSLTをやると、全員、有所見になっちゃうので、実際に睡眠外来では、この検査をする前に、しっかりと睡眠負債がない状態を作ります。


MSLTでは、昼間に15分以内に眠ってしまうと有所見なんですが、皆さんの夜の寝付きの時間はどれくらいですか?と尋ねました。

私が産業医面談などで聞くと、特に過重労働面談の対象者は、ほぼ100%、気絶のように寝落ちしています。むしろ、寝付きがいいことを得意げに話してくれるんですが、残念ながら「寝付くのに5分もかからない。知らないうちに眠ってしまう」寝付きが、生物学的な健康レベルは、最悪です。

寝付きにかかる時間は、15分程度が好ましいのですが、30分以上かかるからといって、必ずしも治療が必要な睡眠障害とは限りません。

一方、寝落ち群は、治療の必要な睡眠障害です。国際疾病分類の最新版、ICD11では、睡眠不足が一つの疾病として明記されました。治療は、睡眠負債の返済と毎日の充分な睡眠です。


会場の回答は予想通り、気絶群が最も多かったですが、こちらは最近、当院で睡眠検査を受けてくださった方121名の事前調査結果です。わざわざ睡眠外来を受診し、お金と時間を使って睡眠を良くしようと考えるような集団でありながら、7~9時間を核とする睡眠時間は3分の1、気絶群が4割以上で、気絶群の全員が、なんらかの睡眠課題を自覚して受診したにも関わらず、この異常な寝付きの良さについては、全く課題を感じていませんでした。


最適と言える睡眠潜時の方はわずか14%・・・半数以上は、寝付きが良すぎる課という題を抱えています。

つまり、日本の睡眠課題の特徴として、寝付きが良すぎるという点があるといえます。

通勤電車での先ほどの光景、驚く外国人が多いという報道もありますが、日本の国民的睡眠課題を、反映している風景なのです。


睡眠潜時の意義が大きいのは、私たち人間が、睡眠か覚醒か、どちらかしかできないからです。人間は、どちらかしかできませんが、生物の中には、渡り鳥や回遊魚の一種のように、半球睡眠といって、体の半分睡眠、半分覚醒のように、睡眠と覚醒を同時にできる種もあります。これは便利で、羨ましい性質です。突然、半身眠ってしまっても、仕事が中断したり、命が危険にさらされたりするリスクがありません。空も飛び続けられるし、海も泳ぎ続けられます。

ところが、人間は睡眠中、意識がありません。覚醒か睡眠かしかできません。もし、突然、眠ってしまって、それが電車のホームの端っこだったり、自動車を運転中だったり、高所作業の途中だったりしたら、たいへんなことになりますよね。だから、生物としての安全を守るために、人間は睡眠すると決めて、横になったときしか、睡眠できないように厳しくプログラムされています。覚醒から睡眠に急に移行しないための安全プログラムが、人間には何重にも整備されています。

生物学的なリスク回避のため、人間には、眠るためのプログラムより、眠らないためのプログラムのほうがガッチリしているのです。


横になってから睡眠する時間には、睡眠潜時という名前がついています。

覚醒から睡眠すると、脳の電気的な活動がどんどん弱まり、深睡眠ではゼロになります。生きている間に、脳の電気的な活動がストップするのは、この深睡眠、N3の間だけで、脳の電気活動だけでなく、自律神経も最も副交感神経優位の状態になっていて、血圧も脈拍も呼吸数もミニマムになり、心臓や血管も休んでいます。まさに、ギザギザの脳波(徐波)で脳が休み、心臓も休む、ギザギザハートの子守唄です。

体が睡眠を受け入れるための脳とストレスの和らぎの時間が、睡眠潜時なのです。


睡眠時間の分布

皆さんの睡眠時間はやはり短く、前述の分布とあまり変わりませんでした。曜日ごとに変わるという方もいて、それはいつか、社会的時差ボケにフォーカスした会でお知らせしたいのですが、時間も規則性もどちらも大事です。

2024年1月の睡眠の規則性が睡眠時間より全死因死亡やがん死亡との関係が深いという論文は衝撃でしたが、その研究でも7時間58分までは睡眠の長さと規則性が相関すると示されました。


好ましい睡眠時間は8時間以上、厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、成人の睡眠時間は7~9時間を核とすると表現しています。

厚生労働省は2024年2月に、「健康づくりのための睡眠指針2014」を大幅に改定し、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を発表しました。睡眠ガイドは厚労省のホームページで簡単にダウンロードできます。睡眠学会理事長、久留米大学学長、日本睡眠協会理事長の内村先生が中心になって、内外のエビデンスをふんだんに取り入れていますので、この睡眠ガイドとDr. Yokoの睡眠マネジメントがあれば、睡眠についての知識は完璧です。


私がとにかくたくさん寝ることを主張する根拠は、この睡眠ガイドの他、たくさんありますが、OECDの各国平均睡眠時間もその一つ、各国の平均睡眠時間の平均が505分、8時間25分です。表示21カ国中、日本と韓国だけが8時間を下回り、3分の2の国が、平均の8時間25分以上です。必要な睡眠時間は年代によって変化しますが、OECD加盟国の平均年齢時間にはあまりばらつきはなく、だいたい50歳くらいです。


こちらは睡眠ガイドに載っている日本の成人のデータですが、7時間以上寝ている割合の平均は、19.15%、8時間以上寝ている割合の平均は、4.55%です。


先ほどの121名の分布を見てみますと、このとおり、睡眠に関心があって、お金と時間を使って睡眠外来を受診しようと考える人でも、このありさま、半分以上が単純な睡眠不足、7~9時間を核とするのは全体の3分の1に足りないくらいです。


熟年の睡眠の特徴(成人と高齢者の違い) 

上の図では、年齢が増すほどに、睡眠時間が短くなっているのがわかります。大まかに言って、年を取るほど、睡眠時間は減ります。

ただそれは、睡眠に関する知識と経験によって、睡眠の技能が上がるために、睡眠の効率が良くなるからではなくて、高齢になり、あらゆる機能が衰えるのと同じように、睡眠する機能が衰えてくるからなのです。


ここで、会場から残念そうに、「そっか」と漏らす声が聞こえました。言われてみれば納得できたようです。


睡眠は、いずれの年代においても健康増進・維持に不可欠な休養活動なのですが、発達や成長という特徴的な生命活動が必要な「こども」、発達や成長が完了したあと、その状態を維持する「成人」、そして様々な機能が低下してくる「高齢者」と、睡眠の生理はライフステージによって変化します。成人後、最適な睡眠時間は年に約3分ずつ、短くなる場合が多いです。

この図は、276,059人の被験者の睡眠を、睡眠の構造ごとに計測した研究の結果です。睡眠には、このようにレム睡眠とか、深睡眠とか、浅いNREM睡眠とかがありますが、大まかに言って、深睡眠とレム睡眠がそれぞれ長いのが良い睡眠です。また、自覚的な睡眠休養感に最も影響するのが、睡眠効率と深睡眠の長さです。なぜなら深睡眠の役割は以下のように、およそ皆さんが想像する睡眠の効能、全部だからです。


  • 疲労や眠気の回復

  • 成長ホルモン分泌(体内組成の修復)

  • 免疫機能の向上

  • 抗がん作用(メラトニン)

  • 代謝調節(脂肪分解、骨格形成等)

  • 脳のデトックス(グリンパティック・システム


図をよく見ると、55歳くらいから、深睡眠が極端に減ってくるのがわかります。中途覚醒が増え、睡眠効率も下がります。

女性の場合は、ちょうどこのあたりで更年期を迎えます。更年期というのは、閉経をはさんで前後5年、計10年ですが、アジア人の更年期の症状で最も多いのが不眠です。女性ホルモンは、約40年間、女性の体に概ねポジティブな影響を与えてくれ、睡眠に対しても有利な作用を示してくれます。生理周期や妊娠出産で睡眠の変化を感じる女性も多いです。

この辺りが、まさに、熟年であり続けるか、老害行きの下りエスカレーターに乗るかの分かれ目でもあります。

経年には誰も抗えませんので、熟年で有り続けるためには、それなりの工夫が必要です。


ところが日本の若者は睡眠時間が短すぎる一方、高齢者は眠りすぎています。

成人も理想に比べると、非常に短いです。これって日本だけなの?というと、日本だけなんです。

模範的な熟年の睡眠、熟睡のためにするべきことは今すぐ、睡眠時間を国際水準まで引き上げることです。


睡眠検査


OECDのアンケートでも、この場のチャットでも、睡眠時間として、寝ようと思ってベッドに入った就寝時間から、起きようと思ってベッドから出た起床時間までの、TIBを答えていただいてます。誰でも横になっているうち、寝付けないな、と思ったり、中途覚醒したなと思ったり、ぐっすり寝たなと思ったりしますけど、睡眠中は意識がないので、何かを思うってことは、そのときは覚醒しています。


こうして皆さんに質問した時は、TIBを答えていただくことしかできませんが、リアルガチの睡眠時間TSTを、終夜睡眠ポリグラフィーという医療検査で測定できます。睡眠効率はTIBに対するTSTの割合です。多くの睡眠研究が、睡眠時間を扱うときには、TSTを使用していて、TIBとTSTにギャップのある、睡眠効率の低い人は、睡眠休養感を得られにくいこともわかっています。


なにか適応課題があれば保険診療で、なくても自費のスクリーニングで、自宅で、簡単なモニターで検査を受けられます。寝床が変わると、誰でも眠りづらくなりますので、自宅で検査できるのは便利です。

睡眠中は意識がないので、このような他覚的な検査で可視化するのは、すごく新鮮ですし、侵襲のない検査なので、できればこの世の全員に受けていただきたい検査です。


ここで、睡眠検査を体験してくださった田中先生が、皆さんにぜひ、受けたほうがよいと強調してくださいました。


かかりつけ医のススメ

そのときの体験を【ただの人にならない「定年の壁」のこわしかた】で書いてくださったページを紹介しました。こちらのコラムもご覧ください。


見開きのページだけでも金言満載です。


健康については、おかしくなって病院に行くより、もっと早めに対応することが大切・・・そのとおりですよね。

私はいろんなところで、いろんな方々にお伝えしているのですが、具合が悪いときというのは、少なくとも具合が悪いという点で、いつもの自分ではないんですね。私たち医者は、医者であると同時に人間ですから、人間が獲得できる程度の知識や技術や経験はありますが、あくまで人間のスペックしかないんです。

はじめて会った方に、「具合が悪い」と言われても、少なくともその時点では、その情報しかないんですね。しかもその本人は具合が悪くて、初対面の相手に自分の具合の悪さをわかってもらうためのていねいな説明ができるような状況じゃないんですよね。「私はこんなに具合が悪いから来てるのに、ゴタゴタ質問してないで、さっさと私の具合の悪さを治すのが医者でしょ」という気持ちもよくわかります。

非医療者も医療者も五感で知覚できることは同じですが、私たちは標準値についてはいろいろと知識があるので、一般的な人間にしては体温が高いとか、呼吸数が多いとか、顔色が悪いなとか、そういう情報をつなげて、第6感を働かせて、次の検査に進むわけです。要は、人類の標準値と具合の悪いあなたの間で、間違い探しをするわけです。人間は全員違うので、何もかも標準値の人なんていないんですね、どれが個性で、どれが治療するべき病気の症状なのか、初対面の患者の場合は、頼りになるのは、本人の説明と医者の勘しかないわけです。でも、本人は具合が悪くて、クリアに説明できない。それが、普段の、具合の悪くない状態を知っていれば、間違い探しの比較対象が「人類の標準値」から、「普段のあなた」になるので、解決の精度と速度はぐんと増します。医者の専門性、存在意義は、標準や普段と比べるところにあるので、うまく使うためには、自分に余裕があるときに受診しておいて、医者に学習させておくことが大事なんです。


田中先生が書いてくださっているとおりで、うまく使えば、医者にはまあまあの使い道があります。間違いないです。うまく使うためには、かかりつけ医に自分のスタンダードな状態や自分の価値観を学習させておくということです。医者は基本的に学習が好きですから、情報を与えるとよく学習します。

かかりつけ医は、別に名医じゃなくてもいいです。そもそも、かかりつけ医のところには、具合が悪いときには行かない前提なんで、自分にとってコミュニケーションの取りやすい、つまり学習させやすい人間であればいいです。医者はみんな医学部を出てるので、友達には少なからず名医もいます。

皆さんにとって、コミュニケーションの取りやすいような医者は、皆さんと似たタイプの医者にとってもコミュニケーションの取りやすいタイプであることが多いので、そこから紹介される、専門性の高い名医とは、コミュニケーションが取りやすい場合が多いんです。紹介し合う医者同志の人間関係も反映されるわけです。


先日も睡眠時間を延ばしたら風邪をひかなくなったと話す患者がいましたが、病気の予防の最善策は睡眠ですし、具合が悪くなったときもほとんどの場合、よく知らない医者に診せるより、睡眠するほうが効果的です。更に完璧な準備をするのなら、自分について学習している医者との関係をつくる、ということです。


睡眠検査のために大学病院に入院した田中先生が、あることに気付いたそうです。普段、病院は具合の悪いときに訪れていたのが、今回は検査のため、なにも症状がありません。

その余裕のある状態で見ると、看護婦さんをすごく優しく感じたそうです。


医療従事者も人間です。そのコミュニケーションは医療従事者以外のコミュニケーションと同じです。

余裕のある状態で、専門家を活かすことが大事です。


17時開始にもかかわらず、大勢の方々にご参加いただき、たくさんチャットに書き込んでいただき、誠にありがとうございました。

当院のかかりつけ患者や産業医を務める企業の従業員も参加してくれました。

また、どこかで、この楽しい会をやりたいと思います!



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